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石原慎太郎著「天才」②

kage

2016/02/23 (Tue)

石原慎太郎著「天才」②

 田中角栄金権政治の急先鋒であった石原慎太郎が「ロッキード裁判は虚構に満ちた裁判であり、それによって田中角栄は失脚した」と田中角栄を擁護している事は、司法判断とは如何に危いものであるかの証左であり、国家権力の長たる総理大臣でさえも罪に陥れる事が出来るという怖さを感ぜずにはいられない。

 小生が「虚構に満ちた裁判」に強く興味をそそられるのは、言わずもがな安部三十郎を被告として起こした、以下の三事件裁判の成り行きからである。
・事件① ポポロビル跡地を更地にして、米沢市に売り渡す約束を破ったポポロビル側に損害賠償を求めよ。
・事件② ポポロビル側と売買の約束もしないで公金を支出し、本市に損害を与えた安部三十郎は損害額を補填せよ。
・事件③ 新文化複合施設は中心市街地の活性化に寄与しないので、公金の支出を差止めよ。
 以上の裁判の冒頭に、「同じ事件を裁判に掛ける事は無効ですよ」と裁判長から告げられた時、小生は裁判長の脳構造を疑った。
 それに対して小生は「裁判長、訴状を良く読んで下さい。三事件とも内容は全て異なっており、各々独立した事件です」と発言すると、傍らの裁判官から説明を受けた裁判長は、ようやく事件の内容を理解したようで「これから裁判を始めます」と、とても信じ難いやり取りから裁判は進められた。

 この様に「市民側の負け・行政側の勝ち」という落としどころを定めた裁判であるから、小生等が敗訴するのは当然であり、ロッキード裁判も、予め田中角栄を有罪に導く裁判であるからして、石原慎太郎は「虚構に満ちた裁判」と断じたのであろう。
 以上から学習したのは「司法は正義に非ず」と言う事だ。

 石原慎太郎は都知事時代の事にも触れ、もし田中角栄にロッキード裁判が無かったらと仮定し、次の様に著している。
『役人天国を支えているおよそ非合理極まる単式簿記などという会計制度を国家全体として是正し、一般の企業並みに発生主義複式簿記に直して(東京都だけでは何とか実現はしたが)、税金の無駄遣いを是正するといった大改革が為し遂げられたのではないかとさえ思うが。』
【続く】

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