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石原慎太郎著「天才」①

kage

2016/02/22 (Mon)

石原慎太郎著「天才」①

 田中角栄の金権主義を批判し真っ向から弓を引いた石原慎太郎が、その田中角栄をして「天才」と上梓(じょうし:出版)した事に強く惹かれて一読した。

 政治から引退した石原慎太郎が、田中角栄の人生を一人称で書くというまさかの手法で魅せるが、小生の琴線に触れた「くだり」は、巻末の石原自身で著した「長い後書き」とする石原自身の田中評と政治観にあった。

 石原は「長い後書き」で次の様に著している。
◎『今私たちは敗戦の後に国家にとっての第二の青春ともいえる高度成長を経て、他国に比べればかなり高度な繁栄と、それが醸し出す新規の文化文明を享受しているが、その要因の多くは国家の歴史の中でも未曽有のものに違いない。そしてその多くの要因を他ならぬ田中角栄という政治家が造成したことは間違いない。』
◎『アメリカに依存しない、エネルギー資源開発と中国外交推進が、アメリカという支配者の虎の尾を踏み付けて彼らの怒りを買い、虚構に満ちた裁判で失脚に追い込まれた』
◎『ロッキード裁判という日本の司法を歪めた虚構を知りつつ、それに荷担した当時の三木総理や、トライスターなどという事例よりもはるかに大きな事件の山だった対潜哨戒機P3C問題を無視して逆指揮権を発動し、それになびいた司法関係の責任者たちこそが売国の汚名のもとに非難糾弾されるべきだったに違いない』

 石原が「日本の司法を歪めた虚構による裁判で、時の公相に有罪判決が下された」と言っている我国の司法の危うさが「正しいものが勝つ」とのフレーズに虚無感を呈するが、ロッキード裁判では、著者が言う「アメリカの策謀」に加えて、小生は、我国の「学閥」「官僚閥」の思惑が相乗した判決と推察する。

「学閥」「官僚閥」の思惑とは、豊臣秀吉が一介の百姓から天下人になった事をなぞらえて、学歴小学校卒で前職土工の田中首相を「今大公」と称するが、それは秀吉が公家や武士家系の者から軽んじられた様に、高学歴・高級官僚を自負する者にとっての田中角栄は反りの合わない存在であり、いつの日か彼の足を引っ張り、首相の座から引きづり落とそうとする思惑があったことは否めまい。
【続く】 

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