不可解な署名運動

2016/02/21 (Sun)
不可解な署名運動先頃、毎日新聞に『市民団体「米沢市立病院精神科の存続を求める会」のメンバーが「市から公的な精神科の医療機関をなくさないため、署名にご協力お願いします」と呼びかけ、買い物客らが署名に応じていた。』との記事が掲載されたが、その本意に多少疑問を抱く小生である。
今般の署名運動は「市民の要望を行政に実現させる手段としての行為」であろうが、精神科の廃止を表明したのは安部市長・渡辺孝男院長であり、中川市長は「市立病院の精神科は無くさない」旨を表明して、現在医師の確保に奔走している訳だから、それに存続を求める署名運動はそぐわないのではないか。
署名運動を起こすなら、「市立病院に、経営手腕を備えた人材の招聘」と「市立病院経営の問題点を調査する会の設置」を訴えるべきである。
公立病院の70%は赤字経営と言われているが、30%は利益を確保している訳であるから、その手法に学ぶ事が肝要ではないか。
酒田市には「日本海総合病院 」があり、著書「日本海総合病院の挑戦」での記述によると、如何にして公立病院が適正なる経営を行い、利益を上げ、存続を可能にするかは、詰まるところトップの経営手腕による所が大ということだ。
優秀な医師が、優秀な病院経営者とは限らない訳であるから、医師にあらずとも病院経営に長けた人物が病院の経営に携わるのが良いと思うが、その前に米沢市と米沢市立病院の関係を整えなければならない。
というのは、米沢市役所の須佐総務部長の弁によると「市立病院は本市の収支計算書から事業会計として独立した会計を行なっているので、市としては内容に干渉出来ない」との見解を示しているが、市民の税を投入する以上、明確な取り決めが必要である。
総務省は、公立病院経営が公務員体質により、赤字経営に陥る弊害から「独立行政法人」に移行し、その責任分担の明確化を進めようとしているが、米沢市立病院の場合には、余りにも曖昧模糊の業態である事から、「市立病院経営の問題点を調査する会の設置」を主張する次第で、「米沢市立病院精神科の存続を求める会」が真摯に精神課存続を願うのであれば、以上を加味して行動する事を希望するものだ。

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