大病院と開業医

2016/02/18 (Thu)
大病院と開業医先頃、紹介状が無い場合に大病院で受診すると、初診料のほかに特別料金として1万円または5千円を追加する案を厚労省が検討していると報道された。
大病院で診てもらうには、初診料の他に1万円の特別料金をかける案が浮上した背景には、病気やケガの症状が軽い患者でも大病院に集中する傾向があり、そのため大病院で無ければ治療の出来ない患者などへの対応に影響が出ているからだという。
即ち、大病院は高額な医療設備で、高度な医療を行なう所だから、軽い怪我や病気の方は町医者に行ってくれという、一見尤もな理由だが、それだけの理由であろうか。
25年間日本医師会会長を務めた武見太郎氏を御記憶の方も有ろうが、その豪腕ぶりは時の総理大臣でさえも恐れをなす程のものであり、多額の政治献金から議員を掌握し、国の医療制度に多大な影響を与えた人物である。
最近でも、民主党が与党の時は民主党に、自民党がそれに変わると自民党に献金を行っていることは、日本医師会は時の政府に働きかけ、我国の医療制度をコントロールしている事がうかがえ、日本医師会の会員の殆どが開業医である事から、開業医優位の制度導入が為されるのは自然な流れで、今般の厚労省案も深読みすれば開業医優位の制度導入とも受け取れる。
そもそも、町医者は高額所得者との認識が国民には浸透しているにも拘わらず、大病院の多くが赤字経営に苦しむ現象の原因の主は、大病院は高度の医療設備を導入してその償却に苦慮するが、一方の町医者を極言すれば、聴診器一つでぼろ儲け出来るというシステムに問題が有る。
患者の立場からすれば、たとえ軽いと思われる症状でも、設備の整った大病院の方が安心感があり、町医者よりも大病院を選択するのは自然な国民感情であるから、町医者と言えども先進医療機器を導入しなければ営業に陰りが生じる事と、勤務医が独立し、少ない設備費で新規開業が出来にくい事を回避する為の措置が、今般の厚労省案と考えるのは穿(うが)った見解であろうか。
いずれにしても、複雑怪奇な医業界に相違無い事から、今後の米沢市立病院建替えには、新たに中川市長主導による人選の検討委員会設置が肝要と建白する次第である。

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