米沢市議会会派「一新会」の弊害 ②

2015/10/07 (Wed)
米沢市議会会派「一新会」の弊害 ②そもそも会派とは如何なるものであろうかと「米沢市議会会派及び各派代表者会規程」を見ると以下のような条文がある。
第2条 議員が交渉団体としての会派を結成したときは、その名称、所属議員の氏名及び代表者の氏名を議会事務局長に届け出なければならない。・・・
2 前項の会派の結成には、2人以上の所属議員がなければならない。
第4条 代表者会は、各会派間の意見の調整、連絡及び次に掲げる事項について協議を行うものとする。「(1)(2)割愛」
(3) 重要事業に関すること。
(4) 災害等に関すること。
(5) その他議長が必要と認めること。
以上の事から、会派とは2名以上の議員による任意団体で、その団体の代表者が集い、議決前に重要事業に関する協議(談合)を行なうと解される。
よって「新文化複合施設建設費」の増額追加予算の件は、議決前に各会派間で談合が行なわれたようで、一新会の島軒会長は「期間まで完成しなければ、国に補助金の返納が生じるし、それに市長が謝罪したから当局案を支持する」として一新会内の反対意見を押さえ込み、各会派間との意見調整を行なったと漏れ伝わっている。
ここで当会が問題視するのは、「契約とは守るべき事柄であり、もし契約不履行の場合には損害賠償を支払う」と言うのが社会通念であるにも係わらず、工事の請負契約を締結した、本市とJV間との責任問題が議論為されないまま、不条理な行政側の意に沿った行動の「一新会」に対してである。
そう言うと、「責任問題は委員会や協議会で充分に協議した。」との反論が聞こえてきそうだが、安部三十郎を被告として裁判を行なった結果、「委員会や協議会での承認・確認事項は議決とは無関係である」との最高裁の判断で我々が敗訴した事は、既に議会事務局を通じて各議員に報告済みのはずである。
よって、議決に至る議場での討議内容のみ、後に当局に責任を問う事が出来るとする司法判断であった事は、議決前に談合を行なって、議場で討議を行なわない議員団の行為は、二元代表制の一翼である議員の存在価値を自ら軽んじて、会派存在そのものの是非を問う時期にあると考える。
そもそも市議とは、地域や業界等の意見を議会に反映させ、本市の「いや栄」を願うのが使命であり、各議員が地域住民の声を収集し、今回の増額追加予算に不満を述べる多くの市民の存在を認識しているはずであるが、一新会13名が島軒会長の締め付けの下、何の反対討論もせずにスルーで追加予算を承認した事は、議会基本条例第3条(1)に定める「議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員間の自由な討議を尊重すること。」、及び⑵の「市政全般に関する課題について、市民の意見、要望を的確に把握すること。」に反する行為であり、過半数を擁する一新会の存在は「弊害」以外の何物でも無い。
改選前の政燐会(山村明・鈴木章郎議員)は少数派ながら、図書館建設の当局案に反対討論を行い、市民は議員の多様な考えを耳にして、事の是非の判断材料としたし、小生は今でも政燐会の主張は正論であったと思うが、鈴木候補落選により会派を組めなくなった山村市議は「一新会」に属した事で存在感は無くなってしまった。
【続く】

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この記事へのコメント

たぶん,ご存知の上で書かれているのだとは思いますが,市とJV間の契約は「公共工事標準請負契約約款」で,民・民の「民間建設工事標準請負契約約款」とは異なります。
「公共工事標準請負契約約款」では,発注者(地方公共団体等)に十分な見識があることが想定されており,受注者(建設業者)に明らかな責任がない限り,工事の一時中止や工期の変更等による増加費用は,発注者が負担しなければならないと読み取れます。
米沢市(行政,すなわち,市長と市役所)は,それだけの見識がなかった(あるいは,ないふりをした)だけのことです。さらに,市議会も計画および予算を承認しています。この工事を発注する能力がない(あるいは,ないふりをした)ことを見抜けなかった(あるいは,あえて見逃した)のです。
そして,市長や市議会議員を正当な選挙によって選んだのは,米沢市民です。つまり,最終的な責任は米沢市民にあります。(ここは「ふりをした」ということはありません。)
今春の市議会議員選挙の結果を見れば,大多数の米沢市民が,この責任(増加費用の負担,市の財政は大赤字なのに!)を甘受していると判断せざるを得ません。市長選でも,現市長が信任されるのでしょう。
Posted at 01:59:57 2015/10/30 by たびのひと
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