「天元台高原について」商工観光課長に聞いてみた。

2006/04/18 (Tue)
「天元台高原について」商工観光課長に聞いてみた。「弱虫」氏の書込による質問に答えなければと気にしながら、日々の雑務に追われて時間がたって申し訳ありませんでした。
市の白木当該担当課長に詳細を尋ねてみた。
スキーに天元台高原を訪れた利用客は16年度が4万人程度で夏場が1万6千人ほどでその数は年々減少している。これではリフトの使用度から「万年赤字」となる宿命だった。
ことの起こりは山形交通が主となって経営していたスキー場もスキーブームの激変から経営が赤字に転落し撤退を決めたのだが、撤退するには設備を解体して現状復帰する必要に迫られていた。復帰費用は概算で10億円という膨大な費用が必須条件だった。そこで前経営者が考え出した秘策が米沢市に「無償譲渡」することだった。
時の高橋市長はスキー場の無償譲渡に色気を出して乗ったものだ。先見の目を持たなかった行政は「貧乏人が馬どころか象を買った」ような真似はすべきでないという市民の声を振り切って取得したものだった。新に株式会社「西吾妻ロープウェイ」をおこし米沢市は無償で貸与してきたものだ。いわゆる第3セクター方式になる経営である。
そこで市は3年間をメドに年500万円を上限とした助成金を見込んでの発足である。ところが机上の空論ともいうべき経営感覚によって万年赤字がつづくばかりだった。「プロの経営陣が手放した施設だ。素人に健全な経営ができるはずがない」との声が巷に溢れていたことも事実だった。市民の懸念は的中して「万年赤字」のスキー場経営という抜け出せない底無しのドロ沼にはまりこんだというのが実情のようだ。
米沢市の助成金も底をついた途端、今度は当時予想もしなかった高額な「減速器の補修」が出てきたというわけだ。その総額概算で1億円也。
これでは議会が紛糾するのも当たり前の話だった。3月議会で一度は議決されたものの、議員から納得出来ないという始末に行政は立往生し、産業建設常任委員会に再度諮って承認されたという経過があるものの、疲弊した財政に問題が残った。だからといって老朽化した施設をそのまま使用して事故でも起きたらゆゆしきことである。そこで市は老朽化したロープウェイをはじめとする3本のリフトを5年間に分割して補修することに決めた。年に2000万円の予算で5年間での補修というわけだ。
ところで問題は残る。補修の順番を待っている間に無事故の保障があるか否かである。ロープウェイもリフトも同様に、下る場合に附加が強くかかるものだ。そのために「減速器」の重大な役目があるのだが、一度に補修できないという財政に問題が残る。ことは人命に関することである。
こんな事情が世間に伝われば客足が遠退くのは常識というものであろうから老朽化した施設を完全に補修できる5年間は安全のために待たなくてはならない勘定である。しかも野ざらしの施設である。老朽化の程度は計り知れないものがあるだろう。繰り返すが1~3のリフトとロープウェイの4施設が単年度は補修されないのである。危険極まりない4施設ということになるわけだ。予算の関係上からであろうが人命にかかわるような事故に対して米沢市はどう対処するつもりであるのかが問われる最大のネックなのであろう。課長は「それが頭の痛いところです」と語る。
ここにきてはじめて行政の見通しの甘さと議員の資質がうかがえる。
市長は「5年後だけで補修が済むわけではない。未来永劫に歳出がつづくのであろう」と前市長の置土産に難色を示しつづける。しかし、天元台高原に集う客の増大によって必ずしも悲観する問題ではないであろう。それには市民の叡知を集めた企画力と行動力が不可欠となってくる。
関係者だけの机上プランでなし得るものではないことを明記しておくことが肝要であろう。他に広く知恵を求め、起死回生をはかるべきではあるまいか。スキー場としての機能を大切にすることは無論だが、夏の高原利用の再発見に心を配るべきでもあろう。長野県は高原の多いところだが、「車山高原」「美しガ原高原」などの利用法などは参考にすべきである。
ここで小生の提言だが、天元台高原は海抜1300メートルの位置にある。夏場は運動系の選手らの「高地トレーニング」の場として提供するのはいかがなものであるか。各大学や実業団などの「訓練の場」としてだ。
かつて栗子スキー場のロッジでは、大学の柔道部などが合宿に使用していたものだ。平地より5度低いだけの理由でだった。長距離ランナーのためにはうってつけの場所だと考ええられる。
坂道のトレーニングならばバレーラインが隣接しているではないか。他に求めるだけではなく「夏の暑い日」を逆手にとった「風のある市民ジンギスカンの集い」なども良いだろう。準備の煩わしさなどから腰を引かない市民のための企画などが肝要なことだろう。課長が語る「天元というのは囲碁では頂点、山形県規模の大会も企画したい。天体観測会や無線の交信基地としても利用できる。知恵を絞れば高原としての活用はまだまだあるはずだ」問題は企画、行動、演出力だという。かつて白木課長はヒマラヤ遠征隊のメンバーであった。
だから「雄大な吾妻につづく他の山脈の展望を望むための道路としてロープウェイやリフトの施設をとらえるべきだ」と語る。なるほどあの施設はまさしく自然界と人間を結びつける一本の道路なのだ。道路である以上維持するための手入れは常識上の常識である。ネパールからヒマラヤを歩いた人間でなければその感覚は生まれないのであろう。
今年は天元台企画として夏は「高原を楽しむ市民の集い」としてバーベキュウでも楽しみたいものだ。

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