「市内有力者たちの市税滞納番付」が暴露された事件

2005/07/26 (Tue)
「市内有力者たちの市税滞納番付」が暴露された事件昭和34年8月1日発行の「米沢ジャーナル」8号が小生の手元にある。やや黄味を帯びたが、約半世紀前の雑誌である。
当時の米沢市議会議員は大物といわれる人達でひしめいていた。
6月議会で社会党の片野議員が、いわゆる「片野メモ」を握って、吉池市長に詰め寄った。
「米沢市には現在5千万円を超える市税の滞納がある。学校ひとつ建つ金額である。法定決算期までに完納していなかったら、名簿の中の有力者を9月議会で公表する」といって片野メモを高々とかざした。
時の唐沢助役は「必ず完納させる」と約束した経緯があった。が、どのような経緯があったかは別として「多額滞納者一覧表」38名の名前を見て仰天したのは小生だけではなかった。いずれも吉池色の濃い有力者たちだけに目を覆いたくなるものだった。
有力織元がズラリ、今をときめく病院と医師個人と県会議員などで目を疑いたくなる有力者の名前が列記されている。
本間議員は「滞納整理のやり方を見ると、無名市民の僅かな滞納にはどしどし督促をして取り立て、しかも延滞日歩や督促手数料を取っているようだが、一方多額滞納者の方はあまり督促もしないし、手数料や延滞日歩もとらない」役所の対応には斯様にムラがあった。
ここでは多額滞納者の氏名を発表することは、故人も多く控えるが、今回のように一部議員の謀略に加担した市職員の場合は、動機に不純さが色濃く感じられる。
市職員による勇気ある「告発」にはほど遠く、公務員が法によって縛られている「守秘義務」を犯した犯罪に属する行為である。
仮に滞納議員の氏名を発表してみたことで、得するのは「菁政会」9名の議員であろう。滞納議員とはいえ納付期日までは完納しているわけだから、公表されたところで問題はない。むしろ「菁政会」にも同じく滞納議員がいたことの論理をどう説明するというのだ。
謀略が見破られ、晴天白日のもとに曝されることの結果を考えて、組み立てた謀議であるか。策謀者はより頭脳のある策謀家によって、いとも簡単に読まれるものである。
謀略が破れたら武士は腹を召したものである。そのような勇気すら持たない議員らが「公費を使う議員として恥ずかしい行為だ」と責め立て、市民受けを狙ったものであろうことは容易に想像のできるところだ。
小生事で恐縮だが、小生の家系は近衛兵で皇居を護った父であり兄であった。だから躾は特に厳しいものだった。
「武士は疑いをかけられただけで腹を切るものだ。疑いをかけられるような振る舞いをするな」が、少年時代から仕込まれた家庭教育だった。だから常に自信に満ち満ちした言動をとって恥じない。それだけの自信が小生にはある。市民として堂々と行動することが米沢の地に合わないだけのことだ。
守秘義務を一部の者に洩らすことによって、大朝日新聞のスクープとなったが、ことの漏洩は山形市からだといい、他県からの情報だとぼかし、言い逃れする有様だ。
27日に開かれる「倫理委員会」は市民の傍聴も許されているから、多くの市民の参加を得て議員たちの倫理にたいする感性をのぞき見したいものである。意外とタマムシ色のシャンシャンと相なるのではあるまいかと想像している。
だが、個人情報を漏洩した市職員の行為は、一市民として迷惑至極な所業だとして究明の手を省くようでは当局も議会も、再び市民の信頼と期待をそぐことになる。

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