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「うこぎ」で米沢の町おこし!?

kage

2005/07/10 (Sun)

「うこぎ」で米沢の町おこし!?

 米沢出身で久しく永田町でジャーナリスト活動をしていた知人が「なんちゅうバカなことを考えているんだ!」と、激怒しながら小生の事務所を尋ねてきた。本来、歯に布をきせない舌法が彼を良くも悪くも評価がマチマチな男だ。

 彼は「今朝の毎日新聞を呼んで頭にきた」のだと息巻く。彼の言い分はこうだ。
「うこぎ」なんてものは、本来貧乏人の食物だった。それがなんだ「うこぎフェスティバル」を開き、5000円の会費で「うこぎ料理」を食うだとゥ、時代錯誤もいいところだ。

 女子短大の教授がパネルデスカッションをし「うこぎの町米沢垣根の会」が主催して本月17・18の両日、上杉城史苑を主会場として行なわれる。うこぎ茶などの販売もある。
 彼が怒っている本質をたどれば、うこぎなんてものは雪国の春に貧乏人が食べた緑野菜だ。焼き味噌をからめて刻んだ「きりあい」や「おひたし」などの旨さ、懐かしさは十分にもっているが、うこぎ料理を賞味するに5000円とはふざけた値段だ。
ここに米沢人の正常な価値判断ができないバカさ加減が見え見えする。研究のための費用・その他の費用を合算して、これだけの費用がかかっているから結果は5000円也の料理代となるのであろうが、実際に市場価格を判断するときに「うこぎ料理」で5000円は妥当であるかどうかの判断に欠けている。
 彼は言う「たとえ5000円の値打ちがあったとしても、大衆性はどうだろうか?」の判断に乏しいというのだ。この料理を町おこしに役立てようとするならば「価格は?いくらならば大衆に支持されるだろうか?」の思考が必要で、大衆にうける価格を設定したところで「ならば、どうすればその価格で出せるだろうか」の考察と努力が必要であろう。

 「うこぎ」の抗酸化作用について研究発表を聞いたことがある。が、その後市場に出回る製品はできなかった。SOD様食品学会での話だった。
「うこぎ」は米沢だけの特産ではなく「高菜」とおなじく九州高鍋藩から鷹山公が疲弊した米沢に運びさせ栽培を奨励したものだ。だから、必ずしも米沢の特産ではないことだ。
 それはそれとして「うこぎ」で町おこしするという考えには賛成するものの、あまり気負いする開発は避けたいものだ。
「うこぎ」が現代的にどのような「料理」に変貌して出てくるものか興味はあっても古来からの「切りあい・おひたし」を越える「うこぎ本来の味」が確保されるものであろうか。まことに疑問なのである。
料理法には「煮る・揚げる・焼く・蒸す」の4種が基本的になるが、あの香ばしい「焼き味噌を加えて刻んだ」あれ以上のうこぎの味はどう考えても出来ないような気がしてならない。
郷土の春一番の旬を司る「緑の食物・うこぎ料理」が、春秋を通して食材となりうるだろうか。もともと、うこぎは茶にかわる薬草ではなかったか。
 「うこぎ」が5000円の料理に化けること事態に疑問が残るフェスティバルの開催である。どう贔屓目に見ても5000円の会費は郷土離れしているようだ。

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