起きて半畳、寝て一畳

2003/12/15 (Mon)
12月14日深夜、ご存じ赤穂浪士46名の同志が本所松阪の吉良邸に討ち入りしたのが午前4時。戦闘わずか1時間にして炭小屋に隠れていた上野介の首をはねた。元禄の世に思いをはせながら、何の気なしにテレビのスイッチを押したらアダム・フセイン逮捕のニュースが入ってきた。8ケ月の逃亡の末に捕らえられた場所が泥小屋の狭い穴の中だった。トルストイの短篇小説の中に「人にはどれだけの土地がいるか」がある。広大なシベリヤを舞台にした逸話だ。著者は終焉をむかえた人間の墓穴こそ人が必要とする士地の広さだと揶揄している。いわく日本の古諺「起きて半畳、寝て一畳」がそれである。バブル期に土地が高騰し猫も杓子も土地という土地を買い漁って狂乱した。その結果が日本の現況にあらわれている。無いよりは有ったほうがいいに決まっている土地だが、金銀宝石とおなじように墓中まで持っていける代物ではない。独り占めして土地の境界を争って生きてみたところで所詮むなしいことだ。上野介は炭小屋の半畳間にも満たない片隅に息をひそめ、フセインは寝て一畳の穴ん中に逃亡先を求めていた。麻原の隠れ部屋すらも一畳足らずほどであったことに思いいたると、人間の隠れ家も墓穴の広さと同じようなものだということがわかる。24年間のフセイン政権崩壊後の逃亡8ケ月、幾つの穴を放浪しどんな夢を見続けていたのだろうか。日本円にして約8千万円が彼の傍らにあったという。さて、この裁きはどうなるのだろうか。まちがっても日本を裁いた東京裁判の如き「戦勝国が敗戦国を裁く」というような国際法違反は繰り返すべきではないだろう。

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