「住民監査請求」結果の通知(№3) 米沢市に存在する不思議な書庫

2004/10/29 (Fri)
「住民監査請求」結果の通知(№3) 米沢市に存在する不思議な書庫■当会は次の監査を請求した(原文は8月27日の新着情報に掲載)
・ 米沢市に於ける資源ごみ処分の経緯
米沢市に於ける資源ごみは、平成9年度まで「米沢市ごみ減量運動協力団体」として登録された団体が集団回収を行った場合、回収量に基づき市より奨励金が交付され、業者によって処分されていた。
市民にとっては、町内の育成会等の資金源として役立ち感謝されてきたが、平成10年容器包装リサイクル法が制定されたことを理由にこの制度は廃止された。
廃止後、業者は申し合わせたように、市民から委託される資源ごみの回収に料金を請求することはもちろんのこと、市民の労力で業者に搬入した資源ごみまで、処分は有料として、料金を請求するようになった。
よって市民は、無料で回収する町内のごみ集積所に資源ごみを出すようになり、市における回収量は増大した。
その結果、市は奨励金の何倍にも当たる収集運搬料を業者に支払うこととなり、市財政の負担増となった。
(平成9年度までの奨励金の額を環境生活課に質したところ、資料不在のため不明とのことであるが、約5倍の支出増と推測される)以下略
■すなわち市民の受ける奨励金の恩恵が無くなり、業者に支払う回収料が増大したのは、本市にとっても、市民にとっても損害が発生していると訴えた訳である。
その額が幾らになるのか監査請求書の文言に記載したく、5月13日開催された懇談会の席上で吉田担当部長に質したところ「書類の保管は5年となっておりますので現存しておりません」と答弁している。(テープに記録されている)
しかし驚いた事に、調査委員の報告書には存在しないはずの書類が添付されているではないか。
出たり消えたりする書類とは、不思議な書庫が米沢市役所にはあるものだ。
そこには奨励金は年間約1千万円市民に支払われていたと有り、これが当時の本市資源ごみ回収手数料に相当すると考えられる。
現在は資源ごみ回収に5千5百万円の手数料を支払っているので、大変な経費の増大と市民への損失が発生している訳である。
この事実に監査委員は次のように結論づけている。
(前文略)分別資源物の回収分だけ確実にごみ自体の縮減とごみ処分費用の節約、そして生活系ごみの再資源化の推進という複数の社会的利益を実現したことは明らかである。
確かに、町内会や子供会が実施する集団回収方式には教育的効果や啓蒙的効果を有することは誰もが承知していることではあるが、生活系ごみの縮減と再資源化の促進を図ることは、最近時における国民的課題でもありその重要性を考慮すると、平成11年時点での集団回収方式の廃止決定は十分に合理性のある政策選択であったと評価すべきものであると判断するところである。
【疑問】
監査委員は何を根拠に「集団回収方式の廃止決定は十分に合理性のある政策選択であったと評価すべきものであると判断するところである。」と結論づけたのか。
ごみ自体の縮減を評価しているようだが、米沢市が発行した「廃棄物対策の概要」によると平成9年度より平成15年度まで千代田クリーンセンターに収集されたごみの量に大きな変動はない。
まして、年間5千5百万円も経費が増大したのに「ごみ処分費用の節約」になったとはどんな計算をしたのであろうか。
それに加えて、「仙台市・福島市は現在も集団資源回収をし、ごみ減量に大きな役割を果たしています」という資料が当会の提出書類に添付されているが、監査委員は当市の職員にのみ事情調査を行い、他市町村との比較は一切行っていない。
米沢市が集団資源回収を止めたのは「合理性のある政策選択」だったとするなら、現在も集団資源回収を行っている仙台市・福島市は「不合理な政策を行っている自治体」とでも言うのであろうか。
続く
追記- 昨日の掲載文中「行政が犯した重大なミス」について、スタッフは有識者と目下検討中であり近日中に報告出来る予定です。

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