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柳や小さんの落語から

kage

2003/12/09 (Tue)

 寝る前のひとときは落語のCDを耳にするのが日課だ。

 小さんの語り口が好きで寝物語にはちょうどいい。話の中に狸の化けばなしがある。 山から下りてきた狸が、里の一軒家に集ってご馳走ならべて酒宴を張っている村の悪ガキどもを見た。「ああ、オラも食いたいなア、誰かひとり帰ってくれると化けて仲間に入れるんだがな」と、ボヤいているうちに仲間の一人が帰っていった。狸はさっそく酒宴の中に入っていき「帰ろうと思ったが、もう少しいよう」とドッカと腰をおろしてご馳走に噛りついた。すると「ウワァ!狸だッ!」と、みんなの袋叩きにあってあえなく殺されてしまった。狸はあまりの嬉しさに肝心の化けることを忘れてしまっていたのだった。

 ある欲望に取りつかれていると本筋を失ってしまうという教訓を落語を通して教えられたように思っている。

 ともすると人は有頂天になり、己れを見失うことがある。

 町田総務部長の場合は入札の順番を間違えながら「私に落ち度はない」と言い張って悪怯れるそぶりも見せなかった。市長には当然報告しただろうから市長は失態を諫めるどころか、落札社が金子建設・後藤組だったから「言いたい奴らに勝手に言わせておけッ」ぐらいの励ましはしたのだろう。でなければ町田総務部長の傲慢な態度には理解できないものがある。

 狸は化けてこそ狸の本領発揮だが、狸が願った通りの筋書きに有頂夫になって化けるという手順を怠ってしまった。高橋市長も20年間の市政を担当して公務員特別職という立場を忘れ奢りから手順を省略させたものであろう。結果は市民の袋叩きにあって有終の美は切腹ものにされてしまった。町田総務部長も市長にならって切腹を覚悟するぐらいの男気があって然るべきなのだ。安部新市長に提言する。公務員の奉仕の精神に欠けた町田総務部長を更迭せよ。後進の見せしめのためにだ。ここで手心を加えるならば、市民の刃は安部新市長に向けられるであろう。手順を間違えないことがなによりも肝要。

 掲示板に「勝ち組」氏からの投稿があった。おそらく安部陣営に投票された方のようだ。文面の中で「私の地区は隠れキリシタンだった」と、地域を牛耳る人たちの圧力に言いたいことも言えず、表面上は黙って従うふりするより仕方がなかったのであろう。が、キリストを信仰する心にいささかの揺るぎもなかったということであろう。社会の矛盾や不条理に余技なく抑制されつづけた市民の一大噴火が、この度の米沢市長選挙の結果だったのだろう。「市民も捨てたもんじゃない。バランス感覚があるよ」という老人の重みのある声が耳に残っている。

 狸じゃないが順序を間違えない市政を期待したいものだ。

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