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二高校合同演劇公演を見た

kage

2004/03/28 (Sun)

 久しぶりに時間がとれ、はじめて伝国の杜の劇場に入ってみた。普通の人は気づかないことだろうが、緞帳の前に1ボーダーが露出しているのはどうしたことであろうか。客席から見えない位置まで吊り上げるか、一文字で隠しておくべき照明器具である。たとえば一文字を引くとすれば、緞帳の絵柄が大きすぎて上辺の月が見えなくなるという配慮であるとすれば、緞帳の制作に問題がある。一体に緞帳の暗さはどうしたことだろう。本来、緞帳の図柄は明るいものである。米沢出身の著名画家の緞帳画としては失敗作だ。
さて、演劇として評価できる段階までは到達してないものだった。が、東高校の出し物は高校演劇として立派な取り組みをしている。3人のアクターの懸命な演技は評価できるとして、アルツハイマーの父親役を演じた男性に深さを求めるのは無理なことだろうか。

舞台装置はカガミを設置するなどして堂々としたものだが、生活感が感じられないのは寂しいものだった。壁を利用すればハウスではないホームを画けたろうと思う。劇中、地中海がテーマであるならば、父親が持ち帰った海の絵には白い壁の家並みを書いた図柄がほしかったと思えるし、海岸辺に松の木では細心の注意に欠けて残念に思う。

中央高校生徒の感性であろうか、コントの羅列でテレビの番組を見せ付けられた思いがした。もはや演劇と呼ぶにはあたらないものであった。しかし、コントを引っ張るだけの力量あるリーダー発見がせめてもの救いだった。

両高校に期待することは、まず、テレビに左右されないこと。そして高校生の感性を豊かにして、取り上げる台本は感動できるものにしたい。舞台の成功は一に台本の選定にあるということを肝に命じることだ。そして客に受けようとしてはならない。淡々と役柄を素直に演じていれば、台本のもつ感動は観客に必ず伝わるものだ。

演劇の劇は劇薬の劇である。できるだけ良い台本を読み、良い演劇を鑑賞することを勧める次第。

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kage


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