直江兼継の愛の前立に学ぶ

2003/11/28 (Fri)
今朝の読売朝刊の編集手帳で、上杉宝物館に展示されている直江兼継公の兜の前立に触れている。概要を紹介する。編集手帳
戦国武将がかぶった兜の前面には飾りがついている。前立という。
先月、米沢市で風変わりな前立を見た。上杉神社の宝物殿に上杉の家老で名将として名高い直江兼継の兜が飾られていた。前立にはおとなの手のひらほどの大きさで、金色の漢字が一文字「愛」と描かれている。仏教の愛染明王から採った愛の字であると説明にあったが、現代人には近代西欧が色濃く匂うからだろう。戦国の武将が血なまぐさい戦陣に用いた武具との奇妙な取り合せは展示物のなかで異彩を放っていた。自衛隊のイラク派遣問題を考えるたびその兜が浮かんでくる。
イラクがテロリストの巣になって泣くのはイラクの人々であり、新たなる9.11が地球上に産み落とすテロ犠牲者の家族だろう。無数の涙を見ないための支援である。派遣される自衛隊員一人一人がかぶる兜の前立は「威」とも「利」とも違う。直江の選んだ一字をおいてあるまい。
イラクは安全か?野党は問う。安全地帯を一瞬にして修羅場に変えるのがテロというものだ。先々まで見通して安全を約束できる人はいない。約束出来る土地でもない。自衛隊が復興を手伝う理由である。兜の緒を固く結ぶしかない。
直江公の名はかならずしも全国的に見れば著名ではない。米沢市の有志が直江公をNHKの大河ドラマで取り上げてもらおうという運動を起こしている。いくら視聴率を気にする放送界でも、いつまでも「忠臣蔵」や「秀吉」だけでもあるまい。隠れた人材の発掘や小さな偉業を讃えるような時代感覚をもってもらいたいものだ。
来年のドラマは新選組だから、隣街の会津が観光客を迎える準備に懸命で不況脱出に賭けている。その理由とは? 幕末に幕府の命を受け京都守護職についた会津と清川八郎率いる幕府浪人組の京都守備隊のうち、東征する浪人組から別れて警備に残った集団が新選組だ。したがって会津は新選組とともに京都の警備にあたり薩長軍と戦ってきた。不幸にして戊辰戦争に破れたが、会津・天寧寺にはいまも新選組局長近藤勇の墓があるという具合だから、新選組イコール会津だという捉え方をして市民あげてハリキッテいる。
選挙陣営の兜も「愛」の前立で
米沢市長選も終盤戦で後がない。冷えきった選挙戦に各陣営とも疑心暗鬼で疲れ切っているらしい。何事もファイト!! 最後に笑うのは、今、活を入れた陣営だ。

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