死にたいと云いつつ今日も薬飲む

2004/02/15 (Sun)
お互いに どちらが先かと 思う老戦友の 賀状今年は 五枚減り
風邪ひけば もうあの世かと 先走る
とり換えの 部品が欲しい 老いの坂
肘折温泉の湯治宿でみつけたものだ。「老人選句」とあり、老いの客が投稿したものだ。「下を見て暮らせと上にいるつもり」これは全国民が中流意識を自覚した頃の句か。「老いらくの恋は呆けない良い薬」と意気盛んな句もあれば、「咳ひとつするにも嫁はうるさがり」とすき間に生きる老いもいれば「残り火を燃やして見たい人に逢い」となかなかの強者もいる。「湯の煙 老妻の背も色香あり」「いると邪魔いないと淋しい老いの中」「二人して並びたかった金婚式」「老いて知る夫婦の絆その深さ」「離婚まで考えた城まだ守り」「見るだけの妻となりたる五月かな」と老いて知る夫婦の情感がたまらない句だ。「やれやれと思う時には邪魔にされ」「農はいや土地は欲しいとよくぞ言う」家族の中身がわかるような句もあるが「ケチケチと貯めて六文銭持たせられ」老いは淋しいものだが、妻にたいする愛情は深まるものらしい。

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