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トルーマンの日記から

kage

2004/01/29 (Thu)

 昨年発見された米国大統領の日記に記されていた一行「ホワイトハウスは輝いていたが実際は白い牢獄だった」

 光り輝く候補者も当選と同時に緊張と孤独に身をさいなまれる思いだったのであろう。アメリカという大国の指導者としての責任の重荷をはじめて感じた時の正直な言葉であろう。小なりとも市長は米沢市の代表者である。立候補した時点では当選することだけを信じて8年間を歩きぬいた安部三十郎である。

 市長に就任した感慨とは一体どんなものだったろうか。まちがってもパラダイスだったとは思い至らなかっただろう。と、推察する。

 高橋市長初登庁の朝を思い出す。「すぐに来てくれ!」友人から電話がはいった。何事かと聞くと「高橋と一緒に当庁して、市役所を見学してくる」という支持者の婦人たちが集まっていて、大挙して初登庁についていくというのだ「婦人たちを動かすな!」と受話器を捨てるようにして車を飛ばし高橋宅に駈けつけて見て驚いた。服装を整え化粧した婦人たちが玄関前に集まって登庁時間をいまや遅しと待ち構えているではないか。「本日は米沢市の新市長初登庁という特別の日である。登庁するのは高橋個人であり、本日より米沢市長として執務する人物を迎えるセレモニーであるから、あなたがたはこの場で見送るだけに止め、午後になってから市役所に見学に出掛けられたらいい」と納得させて高橋単独で歩いて登庁させたものだった。ところが、自宅から高橋に同道するようにして黒いカバンを下げた人物がいた。「高橋の秘書だ」という。これにも「私設秘書は登庁すべきではない」と慌てて市役所の門前で帰した。

 ことほど左様に歴戦錬磨の高橋にして、初登庁は劇的な感動と不安とが入り交じるものらしい。以上のくだりは三階のベランダから見つめていた小関薫君が証言してくれるはずだ。安部三十郎君の初登庁は新聞で拝見したが、長靴を履き「自由の風の旗印のもとに笑顔で立つ姿だった。若者らしくパフォーマンスともとれる初登庁だったようだ。その時わたしの脳裏をかすめたのは、あの笑顔の曇る時期のことだった。

 トルーマンにして「ホワイトハウスは牢獄だった」といわしめた過酷な責務が緊張と孤独を強いたのだ。すべての提案を阻止すると豪語する18の議員とリベンジを誓う敗北した行政の部課長たちがいる。まさに多難な安部丸の船出に見えた。

 高橋の場合、選挙資金は自民党県連からの500万円を筆頭に支持する土木建設業者からの献金で選挙を賄った。が、安部の場合は一説によると土地売買の資金で賄ったことになっている。高橋は支援金で、安部は自己資金で戦ったということだ。「借りた恩義、返す義理」が高橋にまとわりついていたのではなかろうかと述懐する元支持者もいる。

 最後まで新市長に抵抗を見せる議員及び幹部職員の名を列ねて市民の判断材料に供することにする。一言、自民党沼沢幹事長がもってきた500万円については時の県会議員が選挙運動費用として100万円ずつ頒けたという。沼沢元県会議員が近年、呆れ返ったように私に語ってくれたものだ。

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