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さようなら激動の年2003年

kage

2003/12/31 (Wed)

 2003年は国際的にも国内的にも、まして米沢市にとっても激動の年だといえるだろう。あいかわらず日本人は平和ボケもいいところで天下太平を決めこんでいるようだが、それで日本丸という薄っぺらな大型船舶の沈没はないのだろうか。いかに楽観的な日本人でもそろそろ国際的な事情に目ざめなければならない時期にある。間違っても経済大国などのおこがましい夢をいだいている場合ではないようだ。たしかに日本の金融市場も国際的に消化能力を持った国ではある。が、士地成金と同様、金持ちとしての歴史的年輪を刻み込んでいない。フローでは大きくなったが、ストックおよび世界的金融ネットワークのなかでは微々たる力しか持っていないのが現状だ。昭和35年頃からはじまった日本高度経済成長政策はその構想といい、そのタイミングといい、まことに結構な政策であった。だが、事業遂行のためのエネルギーを必要とする。物理学のエネルギーの法則ではないが高度経済成長政策遂行のために、日本は自分が蓄積してきたエネルギーの一部分を投入しなければならなかったのにも関わらず、 日本はそのエネルギーを投入することなく、日本が最も大事な「心のエネルギー」とも呼ぶべきものを全部投入してしまったのです。

 その結果、確かに日本は高度経済成長政策を達成し、先進国の仲間入りを可能にし基礎づくりができるようになった。しかし、人々は手に入れたものは物質文明だけで失ったエネルギーの問題については余り気にしないで過ごしてきた。日本人の価値観は大変革したといっていい。つまり、苦しみを分かち合い、乏しさをも分かち合い、人の苦しみを自分のものと受けとめるという繊細な心配りという哲学とか価値観を完全に喪失した。そして経済至上主義という価値観が多くの日本人の心の隅々まで占領するようになった。このままでは日本沈没という悲劇的、むしろダイナミックな曰本沈没が間違いなくやってくるように思われる。いま、日本人に必要なのは、このことに気づき、額に汗を流し、せっせと貯めこんだ黒字を、世界奉仕国家にふさわしい適切に分配国家とし生まれ変わるために使うという意識革命だ。なぜか、世界を操っている国家は日本国ではないこと、日本人に見えない世界の超国家が存在するという事実だ。

 言うまでもないが、日本国はその狭間にあってどう生き延びて行くというのか。大人が、次代を背負う若者達にどう咀嚼してどう伝えていくのか真剣に考えなければならない切実な難題なのである。亡国予備国家日本をどのようにして建てなおすべきだろうか? 2004年最大の課題になろう。

 年末年始を海外で過ごす日本人が増えている。これも心の問題であろう。新年を迎えるにあたって日本人のシキタリとか日本人の感性では、家族そろって除夜の鐘の音を聞きながら、おだやかに新年を迎えたものである。他国には歴然とした新年を迎える行事があってそのシキタリを頑なに継承し国家意識を高めている。その点、国家意識の薄い日本人がひたすらに流行というバスに乗り遅れまいと貧しい努力をしているようにしか映らない。それでは祖国日本人たるゆえんが惨めに見えるではないか。日本人ならば日本の伝統文化に心を寄せる感性の持ち主でありたいものだ。

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