生け贄(いけにえ)

2014/03/29 (Sat)
生け贄(いけにえ)生け贄・・・何とおぞましい言葉ではないか。
昔は「生きたまま神に供えるケダモノや人間」の意味だったが、現代では「他の目的のための犠牲」として用いられている。
今般、正に「生け贄」の言葉がピッタリの人事が安部行政で行なわれた。
市職員の加藤吉宏氏は建設部都市計画課課長の職にあった時、まちの広場を壊す新文化施設建設が浮上した。
まちの広場は都市計画法で「広場として使用する」という縛りが有る為、建物の建設は出来ない。
そこで、広場としての縛りを外す必要に迫られた安部市長は、手続きとして先ず市民への説明会開催が必要な為、加藤課長にその任を命じた。
建設反対運動が盛り上がっているこの時期に説明会を開く事は、加藤課長に取っては大変な気苦労であったろう。
しかし何とかその任を成し遂げた彼は、25年度人事で大抜擢の建設部長に昇進した。
そこまでは良かったが、その後の「想定外の地下埋設物騒動」で、僅か1年でその職を追われ、格下の水道部長に降格となった。
一般の会社に於いても「心証必罰」の人事、即ち功績が有れば褒美を与え、失敗すれば責任を負わせる人事は広く行なわれているが、加藤吉宏氏の場合を検証してみよう。
新文化施設の予算を獲得する為に積算作業(地質調査等)を行なったのは、彼が建設部長に就任する以前だから、その時期に都市計画課に居た彼が予算編成に関与していない事は明白であり、彼に取って「地下埋設物出現」は正に想定外で有ったろう。
では安部市長の場合はどうであろうか、次を参照してもらいたい。(クリックで拡大)

上の表でお分かりと思うが、地下埋設物撤去工事を初期計画に盛込めば、国の助成金をもらう条件の平成27年3月完成は、ハナから無理だったのだ。
しかし、安部市長は「想定外の出来事」が理由なら、工期が間に合わない場合でも1年間の延長が認められるとする国制度の特例が有ることから、この制度を利用する事を考えた。
そこで、地下埋設物を隠蔽し、着工後に「想定外の地下埋設物の出現」として工期を1年延ばす作戦に打って出た。
ところが中部コミセンで行なわれた近隣住民への「工事内容の説明会」で「建設地には以前デパートが有り、浄化槽が埋まっているが大丈夫か」との質問が有ったように、大きな埋設物がある事は広く市民に知られている事であるから、後に「想定外の地下埋設物出現」で1.6億円が必要と公表したのでは、市民・議員からゴォーゴォーと非難の声が上がる事は必至で有る。
そこで仕組まれたのが「加藤部長生け贄作戦」だ。
案の定、加藤建設部長は「設計図や記録が残っていなかったので、予想出来ない地下埋設物が出現した」として1.6億円の工事費を2月臨時議会に上程しようとしたが、小島市議より「地下埋設物は市民周知の事だし、設計図が残っている筈で、想定外では無かろう」と突っ込まれ、部長は「実はありました。」とゲロする醜態を演じた。
そして、事の真相を知らない人々の非難は加藤建設部長に向けられ、詰め腹を切らされた格好で建設部長の席を去る事となったが、彼の心境は如何なものであろうか。
加藤部長とは2~3度話をする機会があったが実直そうな感じで、安部市長と納得済みで演じた「出来レース」とはとても思えない。
彼はやはり、安部市長によって利用された「生け贄」と小生は見る。

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