小説「現代国盗り物語」その6

2023/10/26 (Thu)
小説「現代国盗り物語」その6SDGs参与の元官僚Aは、元会社役員Dに「国の候補DMOに登録しよう。申請書作成は私も協力します」とDに話を持ちかけた。(DMOとは“観光地域づくり法人”のことで、地域の「稼ぐ力」を引き出すことを目的とした民間会社)、 Aの力添えもあり、ことは順調に進んだ。
元官僚Aは、SDGs参与として米沢市役所に入ったのだが、「持続的な経済発展に貢献する観光が、地域経済の活性化と安定的且つ長期的な雇用を創出し、住んで良し・訪れて良しの地域づくりに貢献しますよ」と、言葉巧みにSDGsと観光を結びつけ、チャッカリ「観光アドバイザー」に就任した。(SDGsとは、持続可能な開発目標)
観光アドバイザーに就任したAは、「国の“地方創生推進交付金制度”を活用し、米沢市が持続可能な観光地を目指そう」「国への申請書は私にお任せあれ」と話すと、渡りに舟とばかり、国への申請をAに委任する市幹部連中であった。
始めに、Aは大学で「官民連携論」を学んでいたことを頭に入れておいてくれ。
米沢市では2016~2025「米沢市まちづくり総合計画」を策定し、その中で「第4期米沢市観光振興計画」が進行しているので、この計画に沿って“地方創生推進交付金”を申請すれば良いのだが、これでは交付金は市に入ってしまうので「お縄にならない、公金詐取」はできない。
ここからが元官僚Aの腕の見せ所なのだ・・・
小説「現代国盗り物語」その7に続く

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