日本学術会議のこと

2020/10/15 (Thu)
日本学術会議のことこのところ日本学術会議の会員候補6人が任命されなかったことについて、議論が過熱している。 小生はこれまで日本学術会議の存在には関心がなかったが、内閣府の「任命されなかった理由」には違和感を覚え、にわか勉強で日本学術会議とは何ぞやと調べると、日本学術会議法というものがあり、目的を次のように定めている。
◆第二条 日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。
そして日本学術会議のメンバー選出と任命については次のように定めている。
◆第十七条 日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。
◆第七条 2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。
今般の菅総理は、日本学術会議の推薦に基づかないで「任命するに相応しくない」として6名を外したのだから、その方たちは「優れた研究又は業績がない科学者」と言うことになる。 しかし、外された6名は優れた研究又は業績がある科学者として広く知られているので外に理由があるはずだが、総理は
「総合的、俯瞰的に見て」6名を外したと答えにならない理由をのべ、挙げ句の果てに日本学術会議の推薦したメンバー表を「見ていない」と答弁している。
推薦者の顔ぶれも見ないで「総合的、俯瞰的に見て判断」とは余りにも国民を馬鹿にした態度ではないか。 総理は6名を外した理由に「科学者としての業績や、思想信条を評価したものではない」と言っているが、その外にどのような理由があるというのか?
菅総理は東北出身で、元官僚や世襲議員ではないので好感を持っていたが、今般の日本学術会議任命騒動には、小生が行政訴訟で米沢市と裁判で争ったときに抱いた「お上は偉いのだ。平民の分際でお上にもの申す不埒なやつ」という行政・法曹界の対応を思い起こして「日本は民主主義の国家であらず、官主主義の国家」を彷彿させる一件である。

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