神頼み

2020/05/03 (Sun)
神頼み新型コロナウイルスの感染は未だ衰えを見せず、政府は緊急事態宣言を5/31まで延長する方針だが、今般の目に見えぬ敵と戦う恐怖を感じて「苦しいときの神頼み」と神に祈りたい気持ちになった人も多いのではなかろうか。
江戸時代には何度かコレラが大流行し、明治になっても度々流行したが、米沢では明治12年に白布温泉で発生したコレラは、たちまち下流の小野川・赤芝に伝染し、米沢市街にも蔓延した。当時は医学的に有効な治療法がないことから、コレラは「死の病」と大変恐れられ、罹患しないことを神に祈るほかなかったろう。
虎列刺菩薩の石碑
米沢市赤芝町の羽黒神社の左側に広がる境内の奥に、高さ88センチ、幅50センチの自然石に、建立明治十二年八月三日「虎列刺菩薩」と刻まれた石碑があり、明治12年の流行時に赤芝の村人が、観音菩薩が姿を変えたコレラ菩薩に、「村中安全」とコレラの終息を祈願し、あわせて死者の冥福を願って建てたものと思われる。
コレラは、明治16年にロベルト・コッホ博士がコレラ菌を発見し、その後は治療法も発見され、上下水道などの環境整備も進んで最近は流行がなく、コレラの石碑は忘れ去られた存在となっていたが、このたびの新型コロナウイルス感染拡大から、連日この「虎列刺菩薩」を訪れる参拝者がいるという。写真を撮影した当日も、2人の御婦人が花を添えて石碑に手を合わせていた。
真新しい木標には令和元年七月とあることから、何年も忘れ去られた存在の「虎列刺菩薩」が、新型コロナウイルス蔓延の数か月前に周辺が整備されたことに、何か因縁を感じる撮影日だった。



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