怪奇な最上小国川事件

2019/08/01 (Thu)
怪奇な最上小国川事件鮎で全国的に有名な最上小国川上流に県がダムを建設しようとしたことから、地元漁協と住民団体が反発し、2012年に山形地裁に提訴した「最上小国川ダム建設差止住民訴訟」は、7年後の7月30日「事業予算の支出は全て完了しており、訴えの利益がない」として棄却した。その結果、住民敗訴となった。
第一審に何故7年もの歳月を要したのか?
法に於いて、公金の支出は「最小にして最大の効果を上げる」との定めが有る。
県はダム建設の目的を「洪水で堤防が破壊する恐れに備える」と言うのだが、住民は「未曽有の羽越水害でも堤防は決壊しなかった。川の流れを変えればそれ以上に安全であるのでダムの建設は必要ない」と公金支出の違法性を主張した。
住民の言い分には相当の説得力があったが、司法は裁判をする前から「違法とまでは言えない」との行政側勝訴の判決を下すことに決めているので、住民の訴えを即「棄却」したいのだが、しかしおいそれと行政勝訴と即決するには余りにも説得力が無い。
そこで判決を長引かせ、住民のスタミナ切れと、工事完成を待っての7年後の判決となったと見るのが妥当だろう。
この裁判は「工事を差し止める」のが目的であるが、訴えから7年もの間裁判をやっていたので、この間工事は進み来年3月にダムは完成する。そうなると目的の「工事差止」は出来ないので控訴・上告しても勝ち目は無い。
以前は「工事差止」が提訴されると、工事はストップされ司法の判断待ちであったが、「円滑なる行政行為が阻害される」との理由で工事を続けても良いことになったため、行政の行う工事がいかに理不尽であっても国民・市民は差し止める事が出来ない。
このように「行政のやることに平民は口出しするな」とする江戸時代まがいの考えが現代でも横行しているのが現実である。

この記事へのコメント

江戸時代と異なるのは「行政」の長(知事、市町村長)を「平民」が普通選挙で決めるところでしょうか。
こんなところで文句ばかり言ってないで、ご自身が市長になってください。
Posted at 08:44:41 2019/08/03 by
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