どうなる米沢市立病院①

2017/06/28 (Wed)
どうなる米沢市立病院①今年4/2より「地域医療連携推進法人」なる制度がスタートしたが、中川市長は三友堂病院との連携による法人化を進める方針で、今年12月に具体案を示すとのことだ。
「地域医療連携推進法人」の管轄は厚労省だが、当省は「高齢化のピークと人口減少がほぼ同時期にやってくる地方都市などでは、患者数の減少が病院経営を直撃することから、“競争から協調へ”と、地域での協調をうながし、地域医療構想を実現する一つの選択肢」と位置づけしている。
しかし、地域医療連携推進法人への参加で医療機関が得られるメリットは少なく、診療報酬上の措置もなければ、税制上の優遇があるわけでもない。
この法人を簡単に言えば、『医療法人が連携し、新たに「一般社団法人」を運営する』という事で、一般社団法人とは、「一定の手続き及び登記さえ経れば、誰でも設立することができる。また設立後も行政からの監督・指導がなく、非営利法人であるが事業は公益目的に制限されず、営利法人である株式会社などと同じく収益事業や共益事業なども行うことができる。」とある。
小生はこの制度に乗ることは時期尚早と思っている。理由は「医療法人が連携し、新たに”一般社団法人”を運営する」と言う点にある。
即ち、連携が目的であるなら、業務提携で済むし、一般社団法人で運営するのであれば、合併が筋であり、既存の病院の独立性を残した一般社団法人化は、後々必ずや紛争の火種となる。
当初、この制度にいち早く名乗りを上げた医療機関が申請を取り下げている報道があるので紹介したい。
◆4月2日から施行された“地域医療連携推進法人”だが、当初設立を目指していた医療機関が相次いで断念し、滑り出しとしては暗雲が立ち込めたものとなった。当初から名乗りをあげていた董仙会 恵寿総合病院(石川県七尾市)がこの日までに、地域医療連携推進法人を申請しないことを決めた。社会医療法人博愛会相良病院(鹿児島県鹿児島市)と医療法人真栄会にいむら病院(鹿児島市)で構成する“ヘルスケアパートナーズネットワーク”も3月31日付で、申請を取り下げた。当初、地域医療連携推進法人第1号となると見られていた岡山大学病院を中心とした岡山大学メディカルセンター構想(岡山県岡山市)も、現段階では申請までこぎ着けず、検討を継続するとしている。
◆岡山大学メディカルセンター構想は、岡山大学病院(850床)、岡山市民病院(400床)、岡山労災病院(358床)、岡山赤十字病院(500床)、岡山済生会総合病院(553床)、岡山医療センター(609床)の大規模病院6施設が医療教育や臨床研究、情報連携から連携を構築。将来的には大規模かつ質の高い医療・研究・教育事業体の構築を目指している。また、岡山市を医療産業都市にする一つの核としたい考えだ。当初から推進法人設立を宣言し、地域医療連携推進法人第一号にも名乗りをあげていたが、本誌取材に対し、岡山大学病院は、この日までに「他の医療機関から参加の返事が得られていない」と説明。いずれも本部をもつ大病院であることから、調整が難航しているとした。今後の設立時期も「可能な限り努力はするが、設立時期は未定」としている。
◆鹿児島市の相良病院(81床)とにいむら病院(40床)で構成する“ヘルスケアパートナーズネットワーク”はすでに、業務提携を結び、高額医療機器の共同利用や薬剤の共同購入などの取組を開始している。しかし、3月31日付で、「地域医療連携推進法人との方向性が当グループと合わず、申請を取り下げさせていただいた」との文面を公表している。
◆医療現場からは、具体的な運用を示した政省令への不満の声もあがっている。推進法人では、参加法人の代表者で構成される社員総会で決議を行うことになるが、“一社員一議決権”とされたことで、病院の規模や経営状況が加味されずに、参加医療法人が一律に同等となってしまうことで、リーダーシップを発揮することが難しくなる。加えて、推進法人内への出入りが自由であることや、余剰金の配当禁止なども一つのハードルとなっているという。

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