恥を知らない二枚舌候補

2003/11/06 (Thu)
選挙戦もあと3日、有権者の感心は全くない。候補者の公約を聞いていると、明日にでも暮らしが豊かになるような結構ずくめの公約である。選挙の度に騙され続けてきた有権者にとっては「またか」と候補者の二枚舌に慣れてきた感がある。ゆえに無関心なのだ。大衆に迎合されやすい日本人は幾度失敗しても、また失敗を繰り返している。日露戦争で大勝して、日本が益々発展すると軍人、政治家、庶民ともに浮かれきっていた頃、夏目漱石は「三四郎」の中で「滅びるね」と書いた。
太平洋戦争において、日本の敗色が濃くなっていた18年秋、駐日フランス大使だったポール・クローデルは「私が滅亡することを欲しない一つの国民がいる。それは日本人だ。彼らは貧乏だが、しかし彼らは高貴だ」と詩人のヴァレリーに語っている。しかし、豊かさに慣れて精神が脂肪ぶくれしてしまった現代の日本人に「高貴」の片鱗を見いだすのは困難だ。
教育の基本すら怠っている日本の現状をみるにつけ、漱石にならって小さな声で「滅びるね」とつぶやく人たちが増えているのではないか。

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