プーチンの来日

2016/12/15 (Thu)
プーチンの来日15日にロシア・プーチン大統領が来日するが、ここに至るまでの安倍首相との経緯は非常に興味深い。
安倍首相は、今年5月にロシア南部ソチでプーチン氏と会談した際、極東の産業振興など8項目の経済協力を提案しことで日露関係が急接近し、永年の懸案である北方領土返還にも光が見えてきたとマスコミは報じた。
巷間では、「安倍内閣は、取りあえず二島返還を約束し、その功績を持って1月解散か!!」と噂されたが、日が経つにつれトーンは下がり、プーチンは「先ず経済交渉が重要」と領土返還問題を濁し、安倍首相は「今回の交渉で、領土返還問題は難しい」との見解を示した。
この流れは以下のように交渉術のセオリーである。
① 先ず調子の良いことを言って相手を喜ばせる。(5月の安倍・プーチン会談)
② すると相手は舞い上がって、勝手に自分の都合の良い方に拡大解釈する。(安倍首相は少なくとも二島返還が可能と解釈し、プーチンに対し最大の持て成しを計画する)
③ 頃合いを見計らって、交渉内容のハードルを上げる。(北方領土返還は二の次にすると言って、経済協力を中心に会談すると主張する)
このような手法は、人は期待が膨らんだ後に、それが不可能となった場合の落胆は大きく、その後の交渉は少しの進展でも充分な満足感を得る事から、プーチンは経済協力の交渉過程で日本に僅かな餌を与え、自分に有利な大きい魚を釣り上げる魂胆と思われる。
もっと深読みすれば、絶望的と思われた二島返還(歯舞群島と色丹島)をチラツカセ、とてつもない日本からの経済援助や、プーチンに有利な条件を日本側から引き出す作戦も、絶対無いとは言い切れない。と言うのは下図を見れば分かるが、この二島の面積は僅かであるから、ロシアに取っては二島と引き替えに自国に有利な条件提示も充分考えられる。


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