市立病院建替に思う③

2016/12/08 (Thu)
市立病院建替に思う③各地方自治体の医療に取り組む姿勢は千差万別であるが、京都府舞鶴市の取り組みが「第11会マニフェスト大賞」を受賞した。
当市の多々見良三市長は元病院長であるだけに「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に、崩壊の危機にある医療の新しい再編案を掲げ、医療と教育、雇用の充実による定住促進と、観光ブランドの確立で「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」の地方創生案が評価されての受賞だ。【参照】
米沢市では市立病院建替を検討中であるが、単に市立病院をどうするかとの近視眼的な視点に捕らわれず、米沢市の将来像を俯瞰する「まちづくり」の中で「医療」をどうするかとの観点から、市立病院建替を検討すべきと考える時、国の戦略「地方創生」を見据えた舞鶴市のマニフェストは当市にとって大変参考になる。
政府は、「地方版総合戦略に定められた自主的・主体的で先導的な事業を記載して作成した地域再生計画に基づく事業の実施に要する経費に充てるため、国が交付する交付金をいう。」とする【地方創生推進交付金】を用意し、地方は独歩で進むことを促しているが、この施策をゴルフに例えれば、定められた賞金総額を上位数名で奪い合う競技会のようなもので、強い者は富み、弱い者は貧する運命にある。
安部三十郎施政の12年間で当市の体力は衰弱し、現在のところ「地方創生」のプログラムを構築する能力は持ち合わせていない。中川市長もその辺を考慮して「副市長は中央より招聘する」と公約に掲げたかは定かでないが、井戸氏を副市長に迎える事が出来たことは幸いである。
しかし、副市長をバックアップする陣容は現在のところ甚だ心許無く、井戸副市長の人脈により、更に中央より人材を招聘しないことには、米沢市の創生はおぼつかないのではないか。
今般、中川市長は「市立病院と三友堂病院の連携」を新法案で進める意向だが、これがスンナリとうまく行く程「医療界」は単純ではない。というのは県立日本海病院と酒田市立病院が統合し、地方独立行政法人「日本海総合病院」が誕生するまでのプロセスを著した、村田弘文氏の「日本海総合病院の挑戦」(財界研究所)の書を読むに、如何にして、医学界の難問を克服してこの統合を為し得たかは「栗谷義樹」氏の存在に有りと述べている。即ち事の正否は人材に掛っている。米沢市の場合も、誰が責任を持って事を進め、その後は誰が経営の責任者になるかが大きな鍵となる。

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