鵜は沈み 鵜は浮き 人は舟の上

2008/04/02 (Wed)
暫定ガソリン税が廃止され、各地では顧客をめぐって混乱しているようだ。幸い老生は車を使っての長距離営業には無縁であるから、ガソリンの値段が幾らであるかは無頓着であったように思う。
老生が運転免許を取得した頃のガソリンは確か50円前後であったように記憶している。 写真仲間とグアム島に撮影旅行をしたのは昭和45年の年だったが、グアム島のガソリン値段が30円であったことに驚いたものである。
あれからガソリンの値段が推移し、原油国の気分ひとつで左右される庶民のガソリン・灯油価格である。 アメリカの政策によって混乱を極めた2度の石油ショックでもわかるように「持てる国家のエゴ」であるに過ぎない。
わが国は原油どころか食料の自給率さえも満たさない国家である。それでいて先進国の名を語ってはばからない船頭多き政治家集団が国家の生殺与奪の権力を駆使している。
それら政治集団の視点はどこにおかれているのであろうか。国民全体であるか、己れの保全であるか。正解はだれが出すのであるか?
選挙時になると候補者はこぞって「国民の目線で」と語り、地方選挙でも例外なく「町民、市民のために」とマイクで呼び掛けている。
有権者は単なる「鵜飼い」の鵜よろしく候補者の言葉を鵜呑みにして、命じられたまま川にもぐり、己れの胃袋を満たすことのない鮎を無心に追いかけている姿は、国民のそれと近時しているのではあるまいか。
権力の届かない庶民を操るのは舟の上にいる鵜匠たちである。鵜飼いは政治家であり水の中の鵜は国民という設定は大きな過ちではないであろう。
折角、庶民から取り上げた「暫定ガソリン税」である。暫定と称しながらも30数年も知らぬ存ぜぬ顔して国民から徴収してきた既得税である。
暫定税制だというならばとうの昔に税制の解除は当然のことであったのだ。それが地方の混乱を招く要因となったという知事らの考え方も矛盾している。それこそ廃止を予測した暫定予算を組むべきがスジで「暫定ガソリン税」の廃止で泣き言をいうのでは能力がなかったことの左証であろうぞ。
政府は「暫定ガソリン税」の廃止によって歳入不足分をカサアゲしようとしているらしいが、これを国民が承知するかどうかが問題となるであろう。
政府権力によって国民は再び泣きをみることになろうが、所詮、国民は水に沈む鵜であり、食道をしめつけられた綱で舟の上の鵜匠の意の儘に操られるのであろう。
英国に比して日本の道路建設費は30倍であることにも疑問を抱く。英国方式とはいかなるものであるかを国民に示すのが当然で、英国との格差を考えて見る必要があるであろう。
日本人ならば「暫定」の意味ぐらい素直に解せないで何が政治家であるか。やりきれないのは老生だけではなかろう。
TVはクイズ番組が花盛りでるある。あいも変わらぬタレントだけでなく、一度は政治家の能力を試してみる必要があるだろう。
国家の歳入の枯渇を考える前に官僚国家の天下りや道路族の無駄使い、厚労省のデタラメさの反省は政治家はどう考え、どのような処置で望むのであろうか。
たんに増税を論じる前に国民の怒りを全面に受けとめるべきであろう。
しかしながら国家権力の前に非力な鵜同様の国民である。農民一揆は飢餓にもかかわらず重税を課した結果にすぎないが、わが国はクーデターの起こり憎い国だと安穏としている政治家諸侯に申し上げる。 鵜匠たちの手にならない海辺の鵜の異常な増殖に不気味さを感じないのであるか。

「図書館女子嘱託職員の解雇問題」は「民事訴訟」に発展するか? ①≪ | HOME | ≫安部市長: 「米沢市では嘱託職員の任期は最長5年間としている。したがって本年度で嘱託職員の任期は切れるもので、任期満了と同時に解雇する」 ユニオン: 「特殊な業務については5年を超えて再任用できるとする市の内規があり、実際には7年間勤務し月額報酬1万円を加算された嘱託職員もいる」「市長命令によって一方的に解雇通告し、団体交渉も打ち切ったのは労働規約に反する」 さて、この珍事を考えてみるとNHKの報道ですら、市民に不可解な問題として伝えていた。 当該の問題提起本人は市立図書館に嘱託職員として「郷土資料室」で資料の整理などしていた女性職員だが、単独で加盟できる「おきたまユニオン労働組合」の組合員であったことから始まっている。 組合側にとっては「タナボタ的な抗争」と映ったものであろう。 まず、当該女性は、 「職務に興味がある」として嘱託職員 になった経過がある。その時には「嘱託職員の任期は最長5年である」ことを承知した上で採用されたことは申すまでもないだろう。 当該女性にとってよほど居心地がよかった職場であったろう。が、任期の残りが迫っている。そこで「おきたまユニオン労働組合」に救いを求めた結果、このような抗争が起きる原因となったものであろうと推察できるものだ。 報道によるユニオン側の言い分は、 「桝田教育長はユニオンの団体交渉を受けた際に2008年度1年間は嘱託として任用し、2009年度以降は協議する」と「1年間は任用する」とした教育長の決定を、安部市長によって覆されたとある。 これに対して安部市長は、 「労組の言っている内容は一方的で教育長に事実を確認しないと何もコメ ントできない」 当該女性職員は、 「郷土資料調査整理は必要だから作られた部署で、そのために図書館司書の資格も取得した。私たちは物ではない」 と不満を唱えている。 ここに問題が二つ考えられる。 一つは、米沢市の嘱託職員の最長任用期間が5年と定めてあるならば、教育長も組合側も女性職員も厳守すべき事項であることは明白なことである。 過去に7年間も任用された事実もあるからとして身分保全の提訴を起こす当該女性職員とそれを支援する労組の規律に関した提訴はおかしい。 又、図書館司書の資格取得を任期延長の理由に掲げているが嘱託職員の仕事を任用中、全うするために図書館司書の資格取得することは職務に対する努力行為であろうから、図書館司書の資格を取ったことを云々することはあたらない。 ましてその資格は永久に本人のものであるからだ。本来ならばその資格を生かした職場を探すべきであったと考えられる。 二つ目の問題は、安部市長が介入し教育長の判断を覆したかという点である。 教育委員会は市行政から独立した機関である故、市長といえども教育委員会の結論を覆すことは出来ない。 よって安部市長の越権行為であるか否かである。 当会は事の真意を教育委員会に質した。 二日に渡り桝田教育長と連絡を取ったが出張とのことで直接話すことは出来なかったが、教育委員会の総務部複数の職員は「組合の団交を受けた席上で1年間の任用を認めようと組合側に返答した事実はない」と断言してはばからない。 これを信用すれば安部市長の指示によって覆されたという「再度任用事件」はユニオン労組の市政に対するいわれのないゴリ押しであるが。
コメントフォーム

この記事へのトラックバック

この記事のトラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
「図書館女子嘱託職員の解雇問題」は「民事訴訟」に発展するか? ①≪ | HOME | ≫安部市長: 「米沢市では嘱託職員の任期は最長5年間としている。したがって本年度で嘱託職員の任期は切れるもので、任期満了と同時に解雇する」 ユニオン: 「特殊な業務については5年を超えて再任用できるとする市の内規があり、実際には7年間勤務し月額報酬1万円を加算された嘱託職員もいる」「市長命令によって一方的に解雇通告し、団体交渉も打ち切ったのは労働規約に反する」 さて、この珍事を考えてみるとNHKの報道ですら、市民に不可解な問題として伝えていた。 当該の問題提起本人は市立図書館に嘱託職員として「郷土資料室」で資料の整理などしていた女性職員だが、単独で加盟できる「おきたまユニオン労働組合」の組合員であったことから始まっている。 組合側にとっては「タナボタ的な抗争」と映ったものであろう。 まず、当該女性は、 「職務に興味がある」として嘱託職員 になった経過がある。その時には「嘱託職員の任期は最長5年である」ことを承知した上で採用されたことは申すまでもないだろう。 当該女性にとってよほど居心地がよかった職場であったろう。が、任期の残りが迫っている。そこで「おきたまユニオン労働組合」に救いを求めた結果、このような抗争が起きる原因となったものであろうと推察できるものだ。 報道によるユニオン側の言い分は、 「桝田教育長はユニオンの団体交渉を受けた際に2008年度1年間は嘱託として任用し、2009年度以降は協議する」と「1年間は任用する」とした教育長の決定を、安部市長によって覆されたとある。 これに対して安部市長は、 「労組の言っている内容は一方的で教育長に事実を確認しないと何もコメ ントできない」 当該女性職員は、 「郷土資料調査整理は必要だから作られた部署で、そのために図書館司書の資格も取得した。私たちは物ではない」 と不満を唱えている。 ここに問題が二つ考えられる。 一つは、米沢市の嘱託職員の最長任用期間が5年と定めてあるならば、教育長も組合側も女性職員も厳守すべき事項であることは明白なことである。 過去に7年間も任用された事実もあるからとして身分保全の提訴を起こす当該女性職員とそれを支援する労組の規律に関した提訴はおかしい。 又、図書館司書の資格取得を任期延長の理由に掲げているが嘱託職員の仕事を任用中、全うするために図書館司書の資格取得することは職務に対する努力行為であろうから、図書館司書の資格を取ったことを云々することはあたらない。 ましてその資格は永久に本人のものであるからだ。本来ならばその資格を生かした職場を探すべきであったと考えられる。 二つ目の問題は、安部市長が介入し教育長の判断を覆したかという点である。 教育委員会は市行政から独立した機関である故、市長といえども教育委員会の結論を覆すことは出来ない。 よって安部市長の越権行為であるか否かである。 当会は事の真意を教育委員会に質した。 二日に渡り桝田教育長と連絡を取ったが出張とのことで直接話すことは出来なかったが、教育委員会の総務部複数の職員は「組合の団交を受けた席上で1年間の任用を認めようと組合側に返答した事実はない」と断言してはばからない。 これを信用すれば安部市長の指示によって覆されたという「再度任用事件」はユニオン労組の市政に対するいわれのないゴリ押しであるが。