市町村合併を考える。 -5-

2008/01/13 (Sun)
③ 新設合併(対等合併)と編入合併(吸収合併)合併には、
A+B+C→X市、となる「新設合併(対等合併)」と
A+B+C→A市、となる「編入合併(吸収合併)」がある。
編入合併のA自治体が米沢市と考えると、他の7市町が米沢市に吸収され、米沢市主導で行政が運営される訳であるから、これをまとめ上げるのは不可能と考える。
よって置賜全域合併は「新設合併(対等合併)」になるだろう。
それでは新設合併による、置賜が1つの新市誕生の場合を想定してみよう。
合併準備期間の話し合いは、各市町が対等の立場で意見を主張し合う訳であるから、そこには必ず「地元住民利益優先」の論理が展開されるであろう。
地域エゴむきだしの議論の中で、我が安部三十郎市長が置賜23万余の住民が納得する新市誕生を成就することが可能であるか? 老生は、彼の4年間の言動を鑑み不可能と断言する。
1月11日に行われた斉藤県知事と置賜3市5町首長の意見交換会の内容をみてみよう。
・県知事(斉藤) 新合併特例法の期限内に置賜は1つの広域合併の考え。
・長井市長(内谷) 新合併特例法の期限内に合併を進める。首長、事務方の役割が不明。
・南陽市長(塩谷) 置賜を1つとするのは現実的でない。複数の枠組みで考える。
・飯豊町長(斉藤) 首長で合意すべし。
・白鷹町長(橋本) 地理的条件から単純ではない。
・小国町長(小野) 地理的条件からむずかしい。
・高畠町長(寒河江)地域文化の違いから3市五町の枠組みは難しい。
・川西町長(原田) 新市名を米沢市に拘らないで推進。
・米沢市長(安部) 事務方の勉強会をやろう。その中から方向性を見いだそう。
なんと、我が安部市長は私見を述べるのを避け「事務方勉強会」にその責任を転嫁した。
具体的な仮説合併論を提示した上での勉強会なら協議も進行しようが、白紙を持って事務方が集まったところで何となる。時間と税の無駄遣いというものだ。
今回の意見交換会で注目する点はどの市町も「編入合併(吸収合併)」は考えていないことと、3市5町が1つとなることは現実的でないと思っている事だ。
よって、安部市長が主張する置賜全域合併は「新設合併(対等合併)」しか無いが、安部市長主導によるその可能性はほぼ0%と思って良いだろう。
それ以上に注目するのは合併の時期である。
県知事と長井市長が新合併特例法の期限内に拘った考えを示したが、他の首長は言明していない。
改めて特例法の「期限以内」と「以後」の違いについて述べるが、その前に下記を見られたい。
○平成19年度普通交付税額
山形市 77億
米沢市 65億
鶴岡市 183億 ※6自治体合併
酒田市 124億 ※4自治体合併
長井市 33億
南陽市 35億
高畠町 32億
川西町 37億
小国町 25億
白鷹町 34億
飯豊町 27億
置賜3市5町合計 288億
○それでは「期限 以内 の合併」の特典は。
・合併前の普通交付税額を5年間保証する。(約288億)その後順次減額し5年後特典は無くなる。
・ 一定期間議員の身分を保有。
・ 職員は引き続き身分を保有。
・ 合併経費に係る各種の交付税有り。
※期限内に合併を行うには20ヶ月前に県にその計画を出さなければならない。すなわち今年7月が最終期限である。
○ 「期限 以外 の合併」なら。(新設合併の場合)
・ 合併後の普通交付税額は約200億減額となる。
・ 議員はすべて身分を失う。
・ 職員は全て退職し必要人数が新市に就職する。
このように特例法の以内・以後では財務面や労務面に大変な違いがあるが、「期限に拘らない」とする安部市長の思惑はいかなるものであろうか。
前期は、中央市街地開発・芝のサッカー場・図書館建設・中学校給食問題ではことごとく市民を欺いてきた。
又その手を使って米沢市民ならず置賜住民を欺こうというのか。もういい加減に「市長ゴッコ」は止めてもらいたいものだ。
市長は「広く住民の意見を聞く」などとトボケたことを言っているが、そんな事は事務方にアンケートを取らせれば良い。
我が国は「直接民主主義」で無いことぐらい学校で習ったであろう。首長とは指針を示すことが第一義である。
《続く》

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