■ 改革・項目52)建設工事の予定価格公表

2007/10/30 (Tue)
安部市長は市が発注する建設工事の入札に「予定価格事前公表」を導入し改革だとご満悦であるが、事はそんな単純なものではなかろう。自治体が発注する公共工事は年を追って減少し山形県発注に至っては最盛期の30%に落ち込む今、競争は熾烈を極め低価格での入札やダンピングの増加により、建設業界での倒産が地域の活力減退を招き、労務単価の下落等、現場労働者の待遇が悪化した。
県はこの事を懸念し今月、入札制度を検討する第三者委員会を立ち上げ調査に入った事でも察せられるように、本市に於いても「予定価格公表」がもたらす負の影響に何らかの対策を早急に立てる時期にあると思われるのだが、肝心の安部市長は来月に迫る市長選の事前運動でそれどころでは無いようだ。
そもそも公共事業の発注とは予定価格を事前公表せず、予定価格を越えないで、それに一番近い金額の札を入れた業者が落札するシステムであった。よって業者の第一の努力目標は担当職員から予定価格を聞き出すことにあり、業者と担当職員間の癒着が生じた結果、贈収賄・便宜供与が多発した。
その弊害を除こうと導入されたのが「予定価格事前公表」であるが同時にダンピングと判断する最低価格基準値も引き下げられた。折しも小泉内閣による行政改革は地方自治体への補助金・助成金の削減というかたちで地方経済を疲弊させ、建設業界は小さくなったパイの取り合いに狂奔するあまり「予定価格の2割3割当たり前」の値引き合戦と相成った訳であり、結果、前述の倒産多発という事態を招いたのである。
当会は早くより低価格応札の弊害を懸念し、本市「契約検査課 遠藤課長」に質したところ「業者が勝手に低価格で入札するので仕方がない」との考えであった。老生はこの答えに大きな「疑問」と「違和感」と安部市政への「不信感」を抱いたのである。
疑問とは、
阪神・淡路大震災時コンクリートで作られるべき橋脚に建設廃材が詰め込まれ被害を拡大した写真を目にされた方も多いと思うが、かように低価格入札よる施工は手抜き工事を招きやすく、労務単価の下落による給与所得の低減は地方経済を矮小化し、企業倒産は地域の活力減退を招くことで「仕方がない」では済まされないのではないか。
違和感とは、
公共事業発注に対する市職員の数と経費である。すなわち仕事が減ったのに従業員の数も支払給与もほとんど同じであり、民間企業なら当然倒産に追い込まれる事態であるにも拘わらず、自分は公務員という安全地帯に座し「勝手に安く入札するので仕方がない」という課長の考えである。
そして安部市政へ不信感とは、
国は税を中央に集め補助金・助成金というかたちで地方に配ることにより都市とのバランスを取ってきた経緯がある。それが「行政改革」だ「地方の自立」だと「自主判断、自己責任」を地方に求めてきている今、自立のためには当然「自主財源」を必要とする訳で、市町村合併、地場産業の育成、企業誘致、行政コストの大幅削減等に、市長としての指導力を存分に発する時期に「合併には意見を述べるべきでない」「地場産業が倒産しても仕方がない」「既存企業の移転は企業誘致だから助成金を出す」「職員はいずれ自然減するだろう」では現市長に不信感を募らせるのは老生だけでは無いだろう。

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