本会の官製談合疑惑に南陽市議会が反応した

2007/08/30 (Thu)
本年6月、本会が全国に発信した[南陽市の官製談合疑惑]を問題視した南陽市議会が本会の発信内容を怪文書だと定義しながらも「産業建設常任委員会・協議会」の名で、7月11日会合を開いた。怪文書との扱いだけでは無視できないものがあったのだろうか対応は早かった。常任議員6名は市側から水道課長をはじめとする当該課職6名に説明を求め、会議は17年度の水道関係入札記録を提出させての質疑応答の形式ではじめられた。
17年度資料とは荒井前市長による執行の資料である。会議の記録文書を見ると会議の結論は「大道寺水道課長の文言に翻弄された内容」としか読み取れないものであった。
議員とはいえ「専門業務に無知な議員たち」であることから水道業務を専業とする課長らに反論するには議員たちの知識だけでははなから無理な会合内容となった。
問題となった水道工事談合疑惑は世にも不思議な「予定価格と落札価格が100%合致するパーセントの高さ」に大道寺課長は議員質問に答えた。「偶然の一致です」これに議員は「偶然というには、17年度に13件も100%の合致が見られる。これらの入札はいずれも偶然の合致であるか?」
課長はこれに答えて「市では予定価格を決めるためには設計価格を積算する。そのために専門のソフトを用います。業者の中におなじようなソフトを使用して積算すれば答えは同一となる。したがって偶然は当然ながら高率となる」
本会は業務用ソフトを扱う専門家に課長の文言の内容を尋ねてみた。ところが専門家の答えは「馬鹿なッ!同じソフトを使って積算したからといって入札価格が予定価格と100%合致することは絶対にありえない。」理由はつぎのようだ。
国交省・厚労省は国の基準として工種毎の歩掛を公表しているが各市町村は計算基準を公表していないため市販される積算ソフトは各地域の正確な歩掛を取り込んで業者への提供は不可能である。
材料費についても4月から翌年3月までの数字でありその間の材料費の高低はどのように計算する。無数にある材料販売店から仕入れる単価を役所と同じ単価でソフトに組むことなど不可能である。
水道工事であれば掘削する場所で土質や出水により作業に差が出てくる。これは積算担当者の感により計算されるものであるから役所担当者と業者の考えが100%合う確立は極めて少ない。
仮にソフトが示した積算が同じであっても入札には[予定価格の部切り]が常識だ。部切りの相場は3~10%の間が通例とされているが30%の場合もある。これがあるから偶然の一致はありえない。
もし役所の入札価格を100%当てることの出来る積算ソフトが実在するのなら、業者は全社導入し100%の入札者業者の数がもっと出るはずである。
一方、予定価格を策定するのは[執行人]と同一人であってはならないのだ。一般的には[予定価格」の設計積算は部下がするにしても「市長が精査した上で手直し(歩切り)」をした上で入札執行日に「執行人の助役」に渡すもので「予定価格」を決定する者と「執行人」は同一人はやらないのがシキタリである。したがって南陽市の大道寺課長が議員に説明しているように「水道関係の入札一切は私がやっている」と言い、それで議員らを納得させている行為は目の前の誤魔化しであり詭弁としか思えない。
仮に課長の文言通りに南陽市政が施行されているのであれば言語道断、入札の不正は今後も途絶えることはないであろう。早急に改めなければならぬ悪癖である。永年にわたって南陽市政の悪癖は継承され税金の無駄使いが続けられてきたのである。
自然の摂理とは「水は高きから低き所に流れる」ものであるが「金銭は低きから高きに吸い上げられる」という摂理に反した行為が疑われる南陽市の行政感覚なのである。議会のチェック機能の低さと、職員の批判能力の欠如が時の市政権力者の為すがままを見過ごしてきたものであろう。

地方が良くならなければ、国は良くならない.≪ | HOME | ≫南陽市の水道行政に官製談合疑惑濃厚
コメントフォーム

この記事へのトラックバック

この記事のトラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)