鬼のひとり言 48 官公庁様給油お断わり

2007/07/17 (Tue)
世も末であるか? 某石油スタンド入口に斯様な看板を見た。「官公庁様、給油終了のお知らせ」とあり「謹啓 日頃格別のご愛顧を賜り有難うございます」に続けて「さて、これまで永らくご利用頂いておりました官公庁のお客様に対し諸事情により、下記日程により給油を終了することに相成りました。事情ご賢察の上、宜しくご了承賜ります様お願い申し上げます。謹白」とあり、給油中止は7月1日よりとある。近所に話を聞いてみると「警察や他の官公庁の車が立往生しているようだ」という。民間の石油販売業者が、今までは大のお得意様であった官公庁にガソリンの給油を断ってきたということになる。慌てたのは官公庁の車だ。 官公庁の関係車両に給油する量は莫大なものであったはずだ。が、ここにきて原油の高騰が、たとえ大量消費の官公庁の車とはいえ値引き契約にスタンドの赤字が増加している現実がそう決断させたものであろう。
事情通に聞いてみると「官公庁は常に市場価格より2~3円安く契約しているはずだ。ガソリンの利益はリッターあたり1円ぐらいが常識だ。こんな風だから官公庁の車に給油すればそれだけスタンドの赤字が増加する。それにしてもそのスタンドは勇気ある処置に踏み切ったものだ」というのだが。
官公庁はその立場から複数の業者に見積もりを出させ、安価な燃料を給油しようとする。だが、現実には原油の高騰にもかかわらず一度契約した価格を変えようとはしないものだ。現実に即した判断が官公庁に欠けているから、契約期間中は価格を維持しようとする。ここに問題があるのではないか。一スタンドの経営努力では不可能な原油の高騰である。警察車両などは給油できなくて右往左往しているのだという。
一般的に官公庁の価格設定については「威張りくさった上に、業者の立場を考えずに安価な価格を求める」きらいがある。いわゆる役人根性というやつである。政治も貧しいが税金で飯を食っている官公庁の態度は、民間の業者の利益を無視し過ぎるところがある。「商人はいくら叩いても利益は生むものだ」という考えがある。業者とて利益を生まないことには経営が成り立たない。
とはいえ、入札となれば利益を度外視しても官公庁との付き合いが業者のステータスとなる。 それら因果関係が度を越すと以上のような結果が生じてくるというものだ。この度の業者の処置を官公庁は改めて考慮する必要がある。
市場が疲弊し市民全体が高度な苦慮に悩んでいる時、官公庁の職員の手にはボーナスなる収入が入る立場にいる。ボーナスの額の大小を問題にするのはあたらない。それよりも当該スタンドの職員たちにボーナスは入るであろうか。 斯様に格差は瞭然。人は平等であるはずだ。が、「年金問題」に見られるように公務員のテイタラクさはどうだ。それでもボーナスは手にしているのだ。
本来ボーナスとは「賞与」である。自動的に配られるべきものではあるまい。特別の働きをしたことに対する褒美として扱われるべきものだ。働きもせず役目を放置した社会保険庁の職員に反省はあるのだろうか。長官は「旅がらす」よろしくアチコチに天下りの事実だ。国民を舐め切った悪代官の所業を坊佛とさせる。

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