小説「現代国盗り物語」その11

2023/11/03 (Fri)
小説「現代国盗り物語」その11このようにして「4億7千7百40万円」の「お縄にならない、公金詐取」は順調に進んでいる。一方、告示日まで20日を切った米沢市長選だが、「元官僚A」の戦況は、確実に当選する迄の状況には至っていない。
そこで、Aが落選した場合も考えなければならないが、その時には、元会社役員Dの会社から、「元官僚A」のペーパーカンパニーに、それらしい名目で過分なる金子を振り込むことにしよう。
そして、「元官僚A」は4年後の市長選に再挑戦する計画だが、その時には我が輩は大臣の座を手に入れているだろうから、大臣である我が輩の後ろ盾で選挙を戦えば、Aは目出度く米沢市長の席に着けると目論んでいる。
さすれば、Aをコントロールして米沢市から「4億7千7百40万円」などとは言わず、倍の10億円ほどの「お縄にならない、公金詐取も可能」と今から心が躍るのだ。
しかし、世の中は思惑通りに事が進むとは限らず、4年後の市長選で「元官僚A」が落選と言うことも考えられる。その時には、Aを我が輩の公設秘書にと考えている。
それからもう一つ、現米沢市長の任期は今年12月21日迄なので、最後の仕事として「センター方式の給食調理場建設」を発注するよう指図している。
米沢市立小中学校の統廃合により、空き校舎を利用すれば「センター方式の給食調理場」など新設する必要はないのだが、それでは「お縄にならない、公金詐取」はできないので、始めに「センター方式の給食調理場」有りきで事を進め、漸く43億円という高額の給食調理場が12月に契約する運びとなった。
小説「現代国盗り物語」その12に続く

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