小説「現代国盗り物語」その10

2023/11/01 (Wed)
小説「現代国盗り物語」その10このようにして、5年間ではあるが「4億7千7百40万円」を懐に入れる策は功を奏したので、この資金を元手に「副大臣・大臣」と階段を駆け上り、果ては総理大臣へとの夢は膨らむのだ。
いかに程度の低い市議団でも「4億7千7百40万円」もの大金が、元会社役員Dの“民間会社”に支払われることに疑問を持つ場合を考慮して、元会社役員Dに「全員協議会(全議員で協議する会)に出席して、DMOのホラ話をした最後に“自分のバックには我が輩がついている”と話せ」と指示を出していたが、元会社役員Dは今年5月にそれを実行したのだ。
反社連中が「俺のバックは○○組だ」と脅すのは常套手段だが、政界に生きる市会議員に「代議士がバックだ」の台詞(せりふ)は相当効いたようだ。
「4億7千7百40万円」の使い道は、我が輩の政治資金が主だが、目先は元官僚Aの市長選挙資金に廻さなければいけない。これは前にも述べたが、元会社役員Dの会社がコンサルティング料や委託料名目で、元官僚Aの登記したペーパーカンパニーに振り込めば、法に触れずに選挙資金カンパができる。
他の立候補予定関係者は「元官僚A陣営の金のかけ方はすごい。その金はいったい何処から出ているの?」と訝(いぶか)っているようだが、この絡繰(からくり)には気づくまい。
小説「現代国盗り物語」その11に続く

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